肉体労働とは?仕事の種類や年収を一覧で解説

肉体労働について知りたい人の中には、肉体労働にどのような業務や職種が知りたい人がいると思います。

また、肉体労働をした場合の給料や年収が知りたい人もいるのではないでしょうか。

当記事では、肉体労働の種類と年収を一覧にして解説します。

肉体労働とは

肉体労働とは、「主として身体や体力を用いる必要がある仕事」のことです。

特殊な資格を必要としない業務を肉体労働とする場合もありますが、身体や体力を用いるのであれば、どのような仕事でも肉体労働として扱う場合があります。

たとえば、肉体労働としてよく名前が挙がる職業としては、建設業の鳶職や解体工事などがあります。

また、製造業の自動車組み立てや部品の検品、期間工なども肉体労働の仕事です。

ほかにも、コンビニやスーパーの店員、パソコンを使う仕事でも単純な入力作業のみを行うような仕事は肉体労働と言われることがあります。

ただし、肉体労働の定義は公的な機関で定められているわけではないため、肉体労働の業種や仕事内容が紹介しているサイトなどによって異なる点には注意が必要です。

肉体労働と類似するガテン系やブルーカラー

ブルーカラー

肉体労働と似た言葉に「ガテン系」や「ブルーカラー」があります。

どちらも、肉体労働と同じように現場で働く人を指す場合が多いです。

たとえば、肉体労働をする人の作業服の襟などが青系が多かったことから肉体労働を仕事にする人のことを、「ブルーカラー」と呼ぶそうです。

また、「ガテン」は現場で働く人たちの「合点」が語源となって生まれ、土木・建築などの現場作業者を対象にした仕事情報誌の名前になりました。

「ガテン系」や「ブルーカラー」も厳密には定義が定められている訳ではないため、肉体労働と同じように用いられる傾向があります。

肉体労働の職種一覧

主に体や体力を使って仕事をする業種を一覧にまとめました。

一般的な肉体労働のイメージに無い業種もあると思いますが、どの業種も場合によっては重い荷物の運搬や立ち仕事が発生します。

業種
就業者数
具体例
建設業
482万人(7.2%)
とび・土木工事業
板金工事業・塗装工事業
内装仕上・電気通信工事
解体工事
製造業
1,037万人(15.6%)
化学工業・食料品製造業
繊維工業・輸送用機器具製造業(自動車・船舶など)
運輸業・郵便業
350万人(5.2%)
タクシー業
倉庫業・貨物こん包業
小売業・卸売業
1,062万人(15.9%)
販売員
・飲食料品・衣類(アパレル)・化粧品
宿泊業・ 飲食サー ビス業
369万人(5.5%)
・ホテル・旅館スタッフ・飲食店員
医療・福祉
884万人(13.3%)
介護福祉士
整体師・保育士
業種・就業者参照:産業別就業者数|独立行政法人労働政策研究・研修機構

肉体労働に関連する業種では、「製造業」や「小売業」で働く人が多いことがわかります。肉体労働の求人でも「製造業」に該当する期間工やライン業務などの募集が多い印象です。

ただし、運輸業なども派遣や日雇いの求人数が多くあるため、必ずしも就業者数と求人数が比例するわけでは無さそうです。

肉体労働の平均年収

肉体労働の年収は、いずれの業種も20代から30代くらいまでは大きな開きがありません

年収や給料に差が生まれるのは50代で、50歳から54歳の人の平均年収が「宿泊業・飲食サービス業」約293万円なのに対して、「建設業」では、年収が411万円でした。

業種年収
建設業
482万人(7.2%)
全年齢計:335.4万円
30~34歳 :293.6万円
50~54歳 :411.3万円
製造業
1,037万人(15.6%)
全年齢計 :301.5万円
30~34歳  :261.1万円
50~54歳  :360.0万円
運輸業・郵便業
350万人(5.2%)
全年齢計 :285.4万円
30~34歳  :269.5.万円
50~54歳  :314.3万円
小売業・卸売業
1,062万人(15.9%)
全年齢計 :346.1万円
30~34歳  :278.8万円
50~54歳  :375.3万円
宿泊業・ 飲食サー ビス業
369万人(5.5%)
全年齢計 :257.4万円
30~34歳  :246.9万円
50~54歳  :293.3万円
医療・福祉
884万人(13.3%)
全年齢計 :296.7万円
30~34歳  :278.4万円
50~54歳  :323.7万円
参照:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 |厚生労働省

肉体労働の平均年収をランキングにして並べると「小売業」「建設業」「製造業」の順に高くなっています。(「医療福祉業」を除く)

年収は年齢に応じて徐々に上昇していく傾向にありますが、業種によって上昇の幅に差があることから、年収に差が生まれる結果になると推察できます。

そのため、平均年収が高い業界へ50歳になってから転職をしたとしても、年収が上がるとは限らないので注意が必要です。

なお、肉体労働をしていて給料が上がらない人は、収入をあげるために副業をするのも1つの手段です。

副業の選択によっては、スキルを身に着けることができるため転職を検討する際のアピールポイントになります。

副業について詳しく知りたい場合は「肉体労働者がするべき副業は?目的別に種類を解説」を参考にしてみてください。

肉体労働に向いている人の特徴3つ

肉体労働に向いている人の特徴を3つ紹介します。

  • 身体を動かしたい人
  • 忍耐力のある人
  • 反復作業が得意な人

たとえば、製造業のライン業務では、1つの商品や部品の検品や組み立て作業があり、反復作業や集中力が求められます。

また、建設業では、天候の影響を受けながら業務になり、夏の日差しや雨などのなかで作業をする「忍耐力」が必要です。

肉体労働が向いている人については、「肉体労働が向いている人と向いていない人の特徴は?」で詳しく解説しているので参考にしてみてください!

肉体労働にはデメリットもある

肉体労働は、始めるハードルが低い物が多いというメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。

  • 賃金が低い場合が多い
  • キャリアアップの機会が限られる
  • 身体への負担がある

なお、これらのデメリットは全ての肉体労働系の業種に当てはまるわけではありません。会社や働き方によってデメリットに当てはまらないこともあるため、あくまでも一般的な参考例として把握しておきましょう。

賃金が低い場合が多い

肉体労働は、専門的なスキルや資格を必要としない仕事が多いため、始めるハードルが低く求職者が多くなる傾向があります。これが賃金を抑える一因となっています。

また、肉体労働は自動化や技術の進歩により、単純な反復作業などの仕事の需要が減少する可能性があり、それが賃金の低下につながることもあると予想されます。

キャリアアップの機会が限られる

肉体労働は、上司や部下などの階層構造が少ない場合があります。そのような場合は、昇進やキャリアアップをしづらく昇給しづらくなる可能性があります。

さらに、肉体労働者がスキルアップや資格取得に投資する時間やリソースが限られている場合、副業や転職を検討する際の選択肢が限られる場合があることもデメリットの一つです。

身体への負担がある

肉体労働は、性質上業務による身体への負担が大きくなります。

重い物を持ったり、同じ動作を繰り返したりすることが多く、これが疲労蓄積や職業性の健康問題につながります。また、このような身体への負担によって、腰痛などを引き起こし転職する人もいます。

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